カート放棄率
Cart Abandonment Rate
カート放棄率は、購入まで至らずにカートを放棄したユーザーの割合を示す指標で、eコマースの重要なKPIです。
カート放棄率とは?
カート放棄率は、購入を完了せずにウェブサイトを離脱した買い物客の割合を示す指標です。 ショッピングカートに商品を入れたものの「何か理由があって」購入を決めなかったユーザーの割合を測ります。全世界の平均は約70%と非常に高く、これは大きな収益損失を表しています。例えば、月間1000人がカートを作成して、300人が購入したなら、カート放棄率は70%です。
ひとことで言うと: カート放棄率は「商品を選んで『買います』と決意したのに、レジに向かう途中で思い直めてしまった客の割合」です。
ポイントまとめ:
- 何をするものか: カートを作成したが購入しなかったユーザーの割合
- なぜ必要か: eコマースサイトの弱点を特定し、改善することで失われた売上を回収するため
- 誰が使うか: オンラインストア、SaaS企業(トライアル放棄)、チケット販売サイト
計算方法と目安
計算式: (1 - 完了した購入数 ÷ 作成されたカート数) × 100 = カート放棄率
例えば、2000人がカートを作成し、600人が購入した場合:(1 - 600÷2000) × 100 = 70%
業界平均は約70%ですが、業種によって異なります。食品・飲料は30~40%程度と低く、美容・ファッションは77~83%と高い傾向にあります。モバイルは79.5%、デスクトップは67.9%と、デバイスでも差があります。
カート放棄の主な理由
- 予期しない追加コスト(39%) 送料や税金がチェックアウト最後の段階で表示されると、ショックで放棄する
- 強制的なアカウント作成(19%) 購入前の登録を強制されるのを嫌がる
- 配送が遅い(21%) 5日以上の配送は避けられる
- 信頼の不足(17%) セキュリティシグナルが弱い、馴染みがない支払い方法など
- 単なる閲覧(43%) 価格比較や情報収集が目的で、購入意図がない
放棄を減らす戦略
チェックアウトの簡潔化 ステップ数を減らし、フォームフィールド数を最小限に。進捗バーで「あと何ステップ?」が分かるようにします。
価格の透明化 最初から送料と税金を表示し、最終段階での「サプライズ料金」を排除します。
ゲストチェックアウト提供 アカウント作成を不要にし、購入後にオプションで登録させます。
支払い方法の拡充 クレジットカード、PayPal、Apple Pay、Google Payなど複数オプションを提供します。
リマーケティング 放棄されたカート購入者に「あの商品、まだ在庫あります」とメール送信し、5~11%程度を回収できます。
ビジネス影響
平均70%の放棄率は、巨大な売上機会の損失を意味します。全米とEUだけで年間2600億ドルの回収可能な売上があるとも推定されています。改善には時間がかかりますが、わずか1~2%の改善でも、大規模サイトでは数百万ドルの収益改善につながります。
よくある質問
Q: モバイルの放棄率が高いのはなぜですか? A: モバイル画面は小さく、フォーム入力が面倒です。また、タップミスやページロード遅延も多く発生しやすいため、ユーザーが離脱しやすくなります。
Q: 放棄率を0%にできますか? A: いいえ。「後で買おう」と思いながら買わないユーザーも存在するため、完全な0%は不可能です。業界では60%程度が「良好」と見なされています。
Q: メール配信で放棄を回収できますか? A: はい。カート放棄メールは成功率が比較的高く、失われた売上の5~11%程度を回収できます。複数回送信する場合もあります。
参考資料
- Baymard Institute: Cart Abandonment Rate Statistics
- Stripe: Top Reasons for Cart Abandonment
- Optimizely: Shopping Cart Abandonment
- Shopify: Reduce Cart Abandonment
- GetResponse: Cart Recovery Strategies
- SaleCycle: Ecommerce Statistics
- Klaviyo: Email Marketing for Ecommerce
- Adobe Analytics: Commerce Insights
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